近年、コロナの影響でテレワークが急速に普及しました。コミュニケーションの非対面化が急速に進み、ZOOM等を使った打ち合わせや商談は、もはやニューノーマルになったとも言える気がします。

対面でコミュニケーションをとることが難しい状況で仕事を進めていくために、オンラインツールの活用はもちろんのこと、メールでのコミュニケーション能力も円滑な人間関係を構築していく能力として重要なものとなっています。

ビジネスメールのマナーを意識することで余計なトラブルを避けるとともに“できるビジネスパーソン”となれるようワンランク上のテクニックをご紹介しておきたいと思います。


読まれるビジネスメール3ヶ条

メールを送る際に基本となるのは、「相手に読んでもらえるように書くこと」です。当たり前のことですが、これを覚えておくことによって小さな気遣いが大切であると意識できるようになります。
たかが1通のメール、されど1通のメールなのです。

1.無駄を省いて簡潔にまとめる
一読しただけで理解できるよう簡潔にまとめましょう。回りくどい表現の文章がびっしりと続く長文メールは、読み手の負担となり後回しにされがちです。そのまま放置されてしまうこともあるかもしれませんので、必要な情報を整理して要点をわかりやすく、きちんと伝わるよう簡潔に書くことを意識しましょう。

2.確定事項を正しく書く
正確さも非常に重要となります。社名や個人名などの固有名詞の誤りは失礼にあたりますので十分気をつけましょう。日付や時間、場所等が正しい情報でなかった場合は相手に迷惑をかけたりトラブルに繋がる可能性もあります。タイピングミスをしないよう、十分注意したいところですね。

3.具体的な表現を使う
曖昧な言い回し、あやふやな書き方は誤解を招きやすく、相手との認識に齟齬が生まれる可能性が高くなります。以下の例のように、数字や固有名詞を使って対象を限定するなど、なるべく具体的に伝えるよう心がけましょう。

例)

  • 来月の初めに→5月1日に
  • 午後までに→13時までに

その他にも気を付けるべきこととして挙げられるのが、件名はある程度内容がわかるように端的にまとめられているか、添付ファイルは受け取れるサイズかどうか、ToやCc・Bccを適切に運用できているかも注意した方が良い点です。
自分が受信する側だったら…という視点で考え、どのようなメールが読みやすいか配慮することが大切になります。

そして作成したメール内容は、一度必ずチェックしましょう。上記の読まれるビジネスメール3ヶ条は押さえられているか、宛先や宛名は正しいか、添付ファイルに漏れはないかなど確認しましょう。

急いでいるとつい見返さずに送ってしまう、なんていうこともありますが、そういう時に限って少しのミスが大変な事態を招くこともあるのです。特に宛先を間違えて送ってしまうことで個人情報や社外秘のファイルが流出してしまうなど、信用を大きく落としたり賠償問題に発展することもあると肝に銘じておきましょう。

クッション言葉を用いて気持ちを伝えよう

良好な人間関係を作るためのメール術についてご紹介しておきます。
文字が主体のメールでは、顔や声の情報がなく対面や電話等に比べるとそっけない印象を与えてしまいがちです。だからこそ、言葉を尽くす「クッション言葉」を積極的に使っていきたいですね。
クッション言葉とは、伝える内容をソフトな印象にしてくれる”前置き“みたいなもののことです。

例)

  • お忙しいところ恐縮ですが…
  • 僭越ながら…
  • 差し支えなければ…

実際にクッション言葉があるパターンとないパターンを比較してみるとわかりやすいです。
皆さんが相手からのお誘いを断るとき、今後も良好な関係を築けるのはどちらでしょうか。

①先約がございます。
②あいにくですが(残念ながら)先約がございます。

恐らく多くの方が②を選ぶのではないでしょうか。(もちろん私も②です)
ときにビジネスライクで冷淡な印象を相手に与えてしまうことがあるビジネスメールですが、クッション言葉にはそうしたイメージを和らげ、自分の気持ちや気遣いを伝える効果があるのです。そして、文面から感じる雰囲気は、そのまま送信者の心証にも繋がります。実際に顔を合わせるときの対応にも影響があるかもしれませんね。

ポジティブライティングで印象を変えよう

内容は同じでも、伝え方ひとつで相手が受け取る印象が180度変わることもあります。そこでぜひ活用していただきたいのが、相手に良い印象を与える伝え方「ポジティブライティング」です。
ポジティブライティングとは、物事の良い面に着目して肯定的な表現を使用する文章の書き方のことです。
ネガティブな事実をポジティブな言い回しにしたり、否定的な単語を肯定的に言い換えたりすることでイメージは大きく変化します。実際に伝え方を変えて比較してみましょう。
例えばあなたが期限を示したい場合、以下のように2通りの文章が考えられます。

①4月1日以降は受付することができません。
②3月31日までは受付を承っております。

実際にどちらも同じ締め切りを提示しているのですが、①は否定、②は肯定の表現を用いたものです。そのため①よりも②の方が、相手に寄り添おうとする気持ちを感じ取れるのではないでしょうか。


物事をどのように解釈するかは、言葉一つで変わりますので、特別な理由がない限りネガティブな表現を避け、ポジティブに伝えてみましょう。こうした言い換えの力は、日々の積み重ねによって磨かれていきます。今回ご紹介したポイントを意識して日々メールでポジティブライティングを実践してみてくださいね!