起業を考える前に必ず確認しておきたいのが、「許認可が必要な事業かどうか」です。
美容業やペットショップなど、業法によって事業者に資格制限を課している事業は多数あり、許認可を受ける窓口も業種によって異なってきます。
そこで今回は、許認可が必要な場合の抑えておきたいポイントをご紹介いたします。せっかく開業準備が整ったのに、許認可を受けられない!といった事態にならないよう、しっかり確認してくださいね!
◆許認可とは?
許認可とは、簡単に言うと営業に必要な手続のことです。
許認可が必要な業種は1,000種類以上にも及ぶとされていますが、それらは大きく「届出」、「登録」、「許可」、「認可」、「免許」の5種類に分類されており、それぞれの「業法」を中心とする法令に手続内容が定められています。そして、法令の定めの通り手続を行わないと営業ができないだけでなく、許認可なく営業を行った場合は、業法違反として処罰される可能性もあるので注意してください。
手続きの窓口なども許認可の種類によって異なるので、事前にチェックしておきましょう。
◆専門家にアドバイスをしてもらう
自分の開業を予定している業種で許認可が必要なのか?必要な場合は、準備しておくべきものは何か?起業を初めて行う人が、一から調べて全てを把握することは難しいです。
法令の定めを理解する専門知識が求められるほか、自治体が窓口になっている許認可制においても各自治体で制度の運用が異なり、要求される書類も差異があるため、業種によっては「窓口に尋ねてもよく理解できなかった」といった状況になる可能性もでてきます。
もしも間違った準備を進めた場合、修正には手間・時間、費用といったコストがかかってしまいますので、法令の知識が十分にあり、実務の実態をよく知った専門家への相談を検討することをおすすめします。
《行政書士、中小企業支援センター等を賢く使う》
許認可の専門家は行政書士です。行政書士は、許認可の要件をどのように満たすことができるか相談に乗ってくれたり、書面の作成・申請代行に対応してくれます。
無料で利用できる相談窓口としては、都道府県の中小企業支援センター・各地の商工会議所の起業相談などがあります。こちらは書面の作成や申請代行など、実務のサービスは提供していませんが、どの専門家に頼ると良いのかなど相談にも乗ってもらえるので、具体的にアクションを起こす前のステップで活用すると良いのではないでしょうか。
もちろん弊社でも専門家のご紹介を無料で行っておりますので、お気軽にお問合せください。
◆許認可の要件の概要
専門家への相談にあたって、「許認可の要件」というキーワードが出てきます。専門的な詳細は専門家に相談すると良いのですが、事前に概要と対応のポイントを復習しておきましょう。
許認可の要件として挙げられるのは、
・人的要件
・物的要件
・財産的要件
この3種類になります。
《人的要件》
営業を営むまでに一定の資格や経験が必要とされている要件のことをいいます。
例えば「破産者で復権を得ていない人」が許認可を受けることができない、「業法違反事実が過去一定の期間内にない」ことが求めるということがあります。
経営事項の管理責任者の要件や、専任技術者の要件を満たす必要がある建設業などは、人的要件が非常に厳密とされています。
《物的要件》
営業所や事務所・倉庫など設備の設置に必要な条件がある要件のことをいいます。
営業所や衛生面の要件が厳密な飲食業や、安全面で多数の要件を満たすガソリンスタンドなどが、細かな要件を求められます。
《財産的要件》
営業において自己資金・預金口座残高などについて一定以上の経済的な基盤が求められる要件のことをいいます。
業種によって厳しさの条件も異なってきます。
◆起業家が対応すべきポイント
《早めの準備》
例えば、リサイクルショップ営業に必要な古物商の許可を受けるためには、物的要件を満たす営業所を用意する必要があります。その他設備や、営業所・設備が法令に書かれた要件を満たしていることを証明する書類(免許制においては資格証明の用意も必要です)、申請書類などを用意することになり、準備には相当の費用と時間がかかってしまいます。
このように、許認可の種類によっては開業資金や計画の見積もりが高額な場合も出てきます。充足をするのが難しい要件の場合、開業計画そのものを見直し・修正する必要が出てくる可能性もあります。早い段階から許認可についての準備を練っておくことは大切です。
《要件とスケジュールの整理と把握》
起業家としては営業予定の上記の人的要件・物的要件・財産的要件を行政書士等の専門家と確認し、それぞれに何があるのか、表にまとめておくなどして、頭に入れておくことが大切です。
表にまとめる際は、人的・物的・財産的要件を満たすことを証明する書類はなにかも書き加えることが必要となり、調達に必要な時間と費用はいくらか、そして開業予定日から何日前に必要設備や必要書類がそろうのか、といったスケジュールについても整理しましょう。
こうして整理して頭に入れておくことにより、準備の間に書類や段取りに足りない点が生じたとしても、迅速にカバーすることが大切です。
許認可は営業の開始の可否を決定づける重要な開業上の手続きになります。
今回紹介した専門家への相談や対応のポイントを踏まえて、余裕をもって対応していきましょう。
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