食品製造会社で企画・開発をしています。今回、共働き世帯をターゲットにした新商品のテスト販売を行いましたが、反響が少なく企画を練り直すことになりました。

消費者に求められる新商品を開発するためにはどうしたら良いでしょうか…

というご相談がありました。

製品ライフサイクルの短縮化や消費者ニーズの多様化が進む中、過去の数値や経験則だけでヒット商品を生み出すことは困難になってきています。新商品の開発にあたっては、これまでの固定概念に縛られすぎず、外部の声やアイデアを上手に取り込むことが重要になります。そこで有効とされているのが「共創マーケティング」です。

消費者と一緒に商品を創る

共創とは、「他者と共に商品やサービスを創造する」という意味です。例えば、消費者参加型の商品開発では、ワークショップなどの場を設けて商品コンセプトやサンプルについての意見を直接聞くことで、消費者のニーズにマッチした新商品の開発に結び付けることができます。近年では、インターネットを活用して、開発チームが進めているプロジェクトに対してのアイデアや意見の投稿を募り、実際に商品化したものには賞金を与えるなどの取組みで商品開発を行う企業もあります。

一方、他起業と共創するケースもあります。自社に不足する要素を補完したり、双方の企業が持つ強みを統合することで、自社だけでは実現不可能な商品開発を行うことができます。異業種同士の共創では、ご質問のような商品コンセプトに基づき、「共働き世帯を応援したい」というテーマで商品開発を進めれば、これまでにない新しい商品やサービス、ビジネスモデルが生まれる可能性も広がります。

「モノ」から「価値」の提供へ

また、消費者の購買行動は、その商品を買うことによって得られる体験や、その商品が持っている社会的価値(環境保全、地域貢献、文化伝承、健康維持など)を重視する傾向に大きくシフトしています。

このような新しい消費スタイルに対応していくためにも、「モノ」ではなく「価値」を提供するという視点に立った商品開発が求められています。

共創マーケティングにおける課題

消費者の声を聞くためには、まずは「参加したい」と思わせる企画が必要です。消費者も時間を割くことになるため、その価値を感じなければ協力はしてくれないでしょう。

アンケート回答時やサービスへの意見反映時の特典、普段はできない経験など、何かしらの付加価値を感じさせるような企画づくりが重要となります。

さらに消費者からは、多種多様な意見が集まります。中には実現が困難な意見もあることでしょう。しかし、すぐに実現不可能だと諦めずに、貴重な意見をどう活かせるか建設的に考えてサービスに反映するためのスキルも必要です。もちろん、状況に応じて取捨選択もできなければいけませんので、消費者の意見をどこまで汲み取って、どのように活かすかということも、共創マーケティングにおいて重要なスキルとなります。

魅力的でありながら非常に奥が深く難しい「共創マーケティング」ですが、消費者を取り込みながら、新しい視点で新商品やサービスを作り上げていきたいですね!


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